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Yasuhiro Koma

シリーズ20年以上、人気を更新しつづける『Counter-Strike: Global Offensive』eスポーツ観戦ガイド


20年以上もの歴史を持つ、タクティカルFPS『Counter-Strike』シリーズ。2012年にリリースされた『Counter-Strike: Global Offensive』(以下、CS:GO)は、今もなお人気が衰えないどころか、2023年4月にはプレイヤーの同時接続数が181万人を超え、最高記録を更新しています。


2023年夏には、シリーズ最新作『Counter-Strike 2』(以下、CS2)のリリースを控え、さらなる盛り上がりを見せている『CS:GO』。本記事では、『CS:GO』に興味を持った方のために、ゲームの基本ルールや特徴、国内外のeスポーツシーンの概要についてご紹介します。



まずは知っておきたい『CS:GO』の基本ルール

『CS:GO』は、マップ内の指定された設置地点にC4爆弾を設置するテロリストと、それを阻止するカウンターテロリストに分かれ、5対5で戦うFPSゲームです。15ラウンドで攻守を交代し、先に16ラウンドを先取したチームが勝利となります。


テロリストとカウンターテロリスト、それぞれのラウンド勝利条件は下記の通り。いわゆる“爆破ルール”と呼ばれるルールで、世界的な人気と長い歴史を誇る『CS:GO』は、この爆破ルールにおける代表的なタイトルといえます。


・テロリスト

相手チームを全滅させれば勝利

C4爆弾を設置したあと、起爆させれば勝利


・ディフェンダーサイド

相手チームを全滅させれば勝利

制限時間内にC4爆弾を設置させなければ勝利

C4爆弾が設置されたあと、解除すれば勝利


テロリストは爆弾設置地点へ向かい、C4爆弾の設置を目指す


マップ内にはAとB、2つの爆弾設置地点が存在する



キャラクター性能やスキルなし、シンプルかつ奥深い銃撃戦

『CS:GO』の重要な要素に、「マネーシステム」があります。各プレイヤーは、ラウンドごとの勝敗やキル、目標の達成などに応じてマネーを得ることができ、獲得したマネーをもちいて、ラウンド冒頭で武器や装備を購入して戦います。


マネーで購入できるものには、さまざまな特徴や性能を持つ武器、受けるダメージを軽減する防具、そしてスモークグレネードやフラッシュバン、火炎瓶などの投げ物があります。どのタイミングでどのようにマネーを使い、いかに武器や装備をそろえるかという戦略性は、『CS:GO』の奥深さの1つです。


『CS:GO』はキャラクターによる性能の差はなく、固有のスキルもありません。キャラクターごとに性能やスキルが存在するゲームでは、各プレイヤーがチーム内での明確な役割を担うことが多い一方、『CS:GO』ではすべてのプレイヤーが状況に応じて、柔軟な役割を担うことができます。


そして、そのシンプルさゆえに、プレイヤー個人の射撃スキルや立ち回り、チームの連携などが、より直接的に勝敗に影響するといえます。こうした競技性の高さが、eスポーツシーンにおける人気にもつながっていると考えられるでしょう。


ラウンドの開始時に、所持しているマネーに応じて武器や装備を購入する


視界をさえぎるスモークなど、さまざまな投げ物を駆使して戦う



『CS:GO』が日本での人気につながらなかった背景

世界的に高い人気を誇る『CS:GO』ですが、日本国内ではあまり人気があるタイトルとはいえません。その背景の1つとして、日本では長年PCゲームではなく、コンシューマーゲームが主流だったことが挙げられるでしょう。


2017年ごろからは、『PUBG: BATTLEGROUNDS』や『Fortnite』、『Apex Legends』といったバトルロイヤルゲームの爆発的な人気も影響し、日本でもPCゲームの浸透が進みました。しかし、リリースから長い歴史を持つ『CS:GO』には、すでに成熟した環境があり、新規プレイヤーが参入するにはハードルが高い状況があります。


そのため、日本では『CS:GO』よりも、同じく爆破ルールのFPSゲームとして2020年にリリースされた『VALORANT』など、近年新しくリリースされたゲームの方が人気が高くなっています。



コミュニティ大会が支える『CS:GO』国内eスポーツシーン

日本の『CS:GO』eスポーツシーンを語るうえで、欠かせないのは「Absolute」の存在でしょう。「Absolute」は日本を代表する『CS:GO』のチームとして、2020年まで何度も世界に挑んでいました。


しかしながら、『CS:GO』の知名度が低い日本では、公式大会やプロチームによるサポートがなかなか望めず、世界で勝つための練習環境を整えることが難しい状況にありました。そのため、「Absolute」は2020年に、新たにリリースされる『VALORANT』への移行を発表。同時に、プロチーム「JUPITER」(現在のZETA DIVISION)へ加入しています。


これに続き、そのほかの強豪チームも『VALORANT』への移行を発表。『CS:GO』で活動していた主力選手の多くが、そのキャリアを活かして、現在は『VALORANT』のeスポーツシーンで活躍しています。


こうした背景から、それまで国内で行われていた『CS:GO』の大会は、ほとんどが継続されず、開催されなくなっていきました。しかし、そのなかでも有志によって継続されている、「HoneyCombS CUP」というコミュニティ大会があります。


2023年5月には、日本に初上陸した複合型エンタテインメントゲーミングフェス「DreamHack Japan 2023」のステージにて、「HoneyCombS CUP」の決勝戦を開催。日本で『CS:GO』のオフライン大会が開催されるのは3年ぶりで、このステージには多くのファンがつめかけ、立見が出るほどの盛り上がりを見せました。


2020年にタイトルの移行を発表した「Absolute」(「ZETA DIVISION」公式サイトNewsより引用


「DreamHack Japan 2023」にてオフライン開催された「HoneyCombS CUP」



「Major」を頂点とするグローバルeスポーツシーン

『CS:GO』のグローバルeスポーツシーンでは、さまざまな大会が開催されていますが、最も権威ある世界大会として「Valve Major Championships」(以下、Major)が開催されています。通称「Major」と呼ばれるこの大会は、『CS:GO』の運営元であるValveがスポンサードしており、賞金総額は125万ドル(約1.8億円)。現在は、年に2回開催されています。


『CS:GO』のeスポーツシーンの中心となっている地域は、最も多くの強豪チームが集うヨーロッパといえるでしょう。直近開催された「Major」は、2023年5月にフランス・パリにて行われた「BLAST.tv Paris Major 2023」。この大会では、開催国フランスのチームである「Team Vitality」が優勝を果たし、大きな盛り上がりを見せました。


次回の「Major」は、2024年3月にデンマーク・コペンハーゲンで「PGL Major Copenhagen 2024」が開催されることが決まっています。2023年夏にシリーズ最新作『CS2』がリリースされるため、この大会は『CS:GO』ではなく、『CS2』で行われる最初の「Major」となります。


■直近開催された「Major」と優勝チーム


2023年:「BLAST.tv Paris Major 2023」/優勝「Team Vitality」

2023年:「Intel Extreme Masters Rio Major 2022」/優勝「Outsiders」

2022年:「PGL Major Antwerp 2022」/優勝「FaZe Clan」

2021年:「PGL Major Stockholm 2021」/優勝「Natus Vincere」

2020年:「ESL One: Rio Major 2020」※新型コロナウイルスの影響により中止

2019年:「StarLadder Berlin Major 2019」/優勝「Astralis」

2019年:「Intel Extreme Masters Season XIII - Katowice Major 2019」/優勝「Astralis」


「BLAST.tv Paris Major 2023」で優勝した「Team Vitality」(BLAST.tv公式Twitterより引用



2023年夏『Counter-Strike 2』リリース、シーンの動向に注目

前述の通り、2023年夏にはシリーズ最新作『CS2』のリリースが予定されています。『CS2』は、まったく新しいゲームになるわけではなく、『CS:GO』のグラフィックやUIなど、さまざまな要素をアップグレードしたタイトルとしてリリースされます。


PCゲームが以前よりも普及し、かつ同様のタクティカルFPSゲームである『VALORANT』が広く楽しまれている今、『CS2』がリリースされれば、日本でもたくさんの新規プレイヤーが参入することが予想されます。これにより国内のeスポーツシーンにも変化が起きる可能性があり、今後の動向が見逃せません。

2023年夏リリースが予定されるシリーズ最新作『CS2』(『CS2』公式サイトより引用


より明るく視認性の高いグラフィックに改善される(『CS2』公式サイトより引用



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