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Yasuhiro Koma

eスポーツの王道タイトル! 世界的な人気を誇る『League of Legends』eスポーツ観戦ガイド


王道のeスポーツタイトルとして知られる『League of Legends』(以下、LoL)。MOBA(マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ)と呼ばれるジャンルのPCゲームで、月間のアクティブプレイヤー数は世界で1億人を超えるほどの人気を誇ります。


国内でも、公式プロリーグの「League of Legends Japan League」(以下、LJL)が行われているほか、高校生大会や社会人リーグなど多くの大会で『LoL』が採用されています。最近では、人気ストリーマーの配信によっても、ますます『LoL』の注目度が上がっているといえるでしょう。


本記事では、『LoL』に興味を持った方のために、ゲームの基本ルールや特徴、国内外のeスポーツシーンの概要についてご紹介します。



敵陣にある本拠地の破壊を目指す、『LoL』の基本ルール

『LoL』は、5対5のチームで対戦するゲームです。勝利条件は、敵陣の本拠地にある「ネクサス」と呼ばれる建造物を破壊すること。これを達成するために、両チームのプレイヤーは、「チャンピオン」と呼ばれる個性豊かなキャラクターを操作して戦います。


試合の開始時点では、すべてのチャンピオンがレベル1からスタート。レベルを上げたり、アイテムを購入したりして、チャンピオンを強化しながら戦っていきます。マップには3つの道があり、上から「トップレーン」、「ミッドレーン」、「ボットレーン」と呼びます。


また、3つの道の間には「ジャングル」があり、ジャングル内の中立モンスターを倒すことで、試合をより有利に進めることが可能になります。3つの道に存在するのは、敵の侵攻を阻む「タワー」。両チームは、このタワーを破壊しながら侵攻し、最終的にはネクサスの破壊を目指します。

プレイヤーは個性豊かなキャラクター「チャンピオン」を操作して戦う


マップには、お互いの陣地をつなぐ3本の道が存在する(『LoL』公式サイトより引用


「ジャングル」にいる中立モンスターを倒すことで、より有利に試合を進められる


3つの道にある「タワー」を破壊しながら、敵陣の本拠地への侵攻を目指す


敵陣にある本拠地「ネクサス」を破壊することで、ゲームの勝利となる



現在160体を超える、多彩なスキルを持つチャンピオンたち

『LoL』では、定期的に新たなチャンピオンが追加されており、現時点(2023年5月)で160体以上のチャンピオンが存在します。それぞれのチャンピオンが持っているのは、固有のパッシブスキルと、キーボードのQ/W/E/Rに割り当てられた4つのスキル。それぞれにユニークな特性を持つ、これらのスキルを使いながら戦っていきます。


また、『LoL』では新たなチャンピオンが追加されるだけでなく、定期的なアップデートにより、チャンピオンやアイテムなど、ゲーム内のさまざまな要素のバランス調整が行われます。『LoL』は2009年にリリースされた息の長いタイトルですが、定期的な新チャンピオンの追加やバランス調整により、常に変化し続けているところが特徴といえるでしょう。


さまざまな特性やスキルを持つ『LoL』のチャンピオンたち(『LoL』公式サイトより引用



世界大会への出場権をかけて戦う、国内公式リーグ「LJL」

国内の『LoL』eスポーツシーンにおいては、公式リーグ「League of Legends Japan League」(以下、LJL)が開催されています。「LJL」には、8つのプロチームが出場。1年を通して、「Spring Split」と「Summer Split」を戦い、それぞれの期間で優勝を目指して戦います。


「Spring Split」で優勝したチームは、国際大会「Mid-Season Invitational」(以下、MSI)に出場。「Summer Split」で優勝したチームは、『LoL』のeスポーツシーンにおいて最も価値ある世界大会「World Championship」(以下、Worlds)に出場することができます。


2023年の前半戦にあたる「LJL 2023 Spring Split」では、「DetonatioN FocusMe」と「Sengoku Gaming」の2チームがグランドファイナルで激突。Bo5で行われた決勝戦を、「DetonatioN FocusMe」が3-0のストレート勝利で制し、イギリス・ロンドンで開催される国際大会「MSI 2023」への出場権を獲得しました。


「DetonatioN FocusMe」は、今回の優勝で「LJL」史上初となる5連覇を達成。これまでに何度も国際大会に挑んできている、日本の『LoL』シーンを代表するチームといえます。

「LJL 2023 Spring Split」キービジュアル



海外メジャーリージョンにチャレンジするEvi選手の存在

『LoL』のグローバルeスポーツシーンには、メジャーリージョンと呼ばれる4大リーグがあります。韓国の「LoL Champions Korea」(LCK)、中国の「LoL Pro League」(LPL)、ヨーロッパの「LoL EMEA Championship」(LEC)、そして北アメリカの「LoL Championship Series」(LCS)です。


そのほかの地域は、マイナーリージョンと呼ばれており、日本のリーグ「LJL」もそのひとつ。ところが、国内の「LJL」を飛び出し、メジャーリージョンであるヨーロッパの「LEC」に挑戦している日本人選手がいます。それが、現在ヨーロッパチーム「Team Heretics」のメンバーとして活動するEvi選手です。


Evi選手は2015年から「LJL」に出場し、2018年から2022年までの5年間を「DetonatioN FocusMe」のメンバーとして活躍。トップレーンを担うトップレーナーとして、「LJL」での圧倒的な成績に貢献し、チームを支えてきました。


しかし、Evi選手はさらなるチャレンジのため、2022年12月にスペインを拠点とする「Team Heretics」への移籍を発表。日本人選手の海外チームへの移籍は初めてのことで、国内外からの大きな注目を集めました。


「Team Heretics」のメンバーとして活躍するEvi選手(flickr「LoL Esports Photos」より引用



国際大会「MSI」で、再び世界の壁にぶつかる日本チーム

これまで「DetonatioN FocusMe」は、何度も国際大会に挑んできましたが、世界の壁は高く、あまり良い結果を残せずにいました。そんななか、少しずつ力をつけた「DetonatioN FocusMe」は、ついに2021年の世界大会「Worlds」で、日本チームとして初めてプレイインステージを突破し、グループステージへの進出を果たします。


しかし、「DetonatioN FocusMe」はチームを支えていたEvi選手の脱退により、大きな変化を迎えることになりました。Evi選手の後任となるトップレーナーには、新人のtol2選手を抜擢。新たな体制でどれだけ力を発揮できるかに注目が集まっていましたが、国内では絶対王者の座を明け渡すことはありませんでした。


ところが、2023年の国際大会「MSI」に出場した「DetonatioN FocusMe」は、0勝2敗でトーナメントを敗退。再び世界の壁にぶつかる結果となりました。続く世界大会の「Worlds」に向けて、いかにチームを成長させられるかに期待が寄せられています。


国際大会「MSI 2023」に挑んだ「DetonatioN FocusMe」(flickr「LoL Esports Photos」より引用



『LoL』の頂点を決める世界大会「Worlds」の舞台

『LoL』eスポーツシーンにおいて、最大の盛り上がりを見せるのは、やはり年に1度の世界大会「Worlds」です。昨年の「Worlds」は、アメリカ・サンフランシスコにて行われ、世界の各地域から24チームが出場しました。


世界のなかで、特に強さを誇る地域は、韓国と中国。「Worlds」の優勝は、この2地域のチームが獲得する年が続いています。昨年の「Worlds」において、決勝戦に上りつめたのは「DRX」と「T1」で、韓国チーム同士による対決となりました。


「T1」には、『LoL』界の“生きる伝説”と呼ばれるFaker選手がいます。Faker選手は、これまでに「Worlds」で3回の優勝、「MSI」で2回の優勝、韓国リーグの「LCK」では10回の優勝経験。他の追随を許さない伝説的な結果を残していながら、今もなお現役で活躍を続けています。


昨年の決勝戦で戦った2チームの、「T1」Faker選手と「DRX」Deft選手は、なんと同じ高校の同級生。その2人が『LoL』の頂点を決める世界大会の舞台に立つという、まるで映画のようなストーリーも大きな話題となりました。この戦いでは、激戦の末に3-2で「DRX」が勝利し、優勝トロフィーを掲げました。


■直近5年の「Worlds」優勝チーム


2022年:「DRX」(韓国)

2021年:「Edward Gaming」(中国)

2020年:「DAMWON Gaming」(韓国)

2019年:「FunPlus Phoenix」(中国)

2018年:「Invictus Gaming」(中国)


アメリカ・サンフランシスコで開催された「Worlds 2022」(flickr「LoL Esports Photos」より引用


「DRX」Deft選手と「T1」Faker選手(flickr「LoL Esports Photos」より引用



世界中で高い人気を誇る『LoL』の大会を観戦しよう!

2023年の『LoL』eスポーツシーンでは、国際大会「MSI」の終了後、世界大会「Worlds」に向けたリーグが各地域で開催されます。今年の「Worlds」の開催地は、『LoL』の本場ともいえる韓国に決定しており、圧倒的な盛り上がりを見せることは間違いないでしょう。


国内でも、これから「LJL 2023 Summer Split」の開催が控えており、「Worlds」への出場権をかけた重要な戦いとなります。大会配信は、YouTubeやTwitchの公式チャンネルより行われます。世界中で高い人気を誇る『LoL』のeスポーツ大会観戦を、ぜひ楽しみましょう!


■2023年のスケジュール


・1~4月:LJL 2023 Spring Split(国内リーグ)

・?~?月:LJL 2023 Summer Split(国内リーグ)

・5月:Mid-Season Invitational 2023(世界大会/ロンドン)

・10~11月:World Championship 2023(世界大会/韓国)


■大会配信(日本語)が行われるチャンネル




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